ガラクタ整理の講座をしていると、必ず聞かれることが、
「夫のガラクタをどうすればいいでしょうか。」
「子どものガラクタがたくさんあります。」
「親がものを手放さない人で困っています。」
といった、他人のガラクタの問題。
ほぼ毎回聞かれるといっても過言ではありません。
でも僕の答えは毎回同じで、
「他人のものはあきらめて、自分のものをやりましょう。」
です。
こう返事すると期待はずれだったのか、残念そうな顔をする方もいらっしゃいますし、
ムッとされる人もいます。
「いや、私のことじゃなくて、夫に問題があるんです!」
のように、周りの問題ばかりに目がいってしまう人もいます。
その一方で、
「確かに、自分のものがあります」
と、自分のガラクタがたくさんあることを認める方もいます。
そして、自分のものの整理に集中して、ガラクタ整理を成功させていきます。
他人のものには目がいきやすいものです。
でも、自分のガラクタには目がいきにくかったり、甘くなりがちなもの。
他人のガラクタに目がいきやすい方、
本当に自分のガラクタがありませんか?
先日お邪魔したあるお宅で、
「これも主人のものなんです」
「ここも主人のものなんです」
と整理されないものを説明していた方がいらっしゃったのですが、
後日、
「もう一度その主人のものセクションを見返していたら、整理していなかったクレジットカードの明細書がたくさん出てきました!」
「主人のものの場所だと思いこんでいましたが、実は自分のものがありました。」
と連絡がありました。
この人がこんなにものを溜め込むから困る、
それが解決してくれたらどんなにいいだろう、
と思っていても、
とにかく自分に注目してみてください。
あなたも何か必ず持っています。ガラクタを。
そのガラクタを整理するようにしましょう。
他人の問題はとにかく目に入りやすいもの。
でも、それを変えようとするんじゃなく、
まず、自分が変わりましょう。
あなたがガラクタを持っているのに、他の人にガラクタをなくすよう説得したいと思ってもだめです。
本当にうまくいきません。
肥満の方が、ダイエット商品を持ってきて、
「この商品は絶対やせるから、あなたにぴったりだから、ぜひ飲んで!」
って言ってきても、説得力がないですよね?
「いや、あなた肥満でしょ?」
と。
それと同じ。
ガラクタがある人が(自分はないと思い込んでいても)、周りに、ガラクタ整理しましょう!って説得しても本当に無理です。
「あなた、ガラクタ持ってるじゃない。」
と。
また、周りの人はあなたの変化も感じるものです。
あなたがガラクタを整理して、どんどん変わっていくと周りは自然に興味をもつようになります。
「どうしてこの人は楽しそうなんだろう」
「へー、ガラクタ整理しているんだ、だったら自分もやってみようかな」
そんなふうに自然に思います。
冒頭のお子さん達も、別にお母さんのRさんがやりなさいと言った訳ではなく、率先して自分達で整理したそうです。
これもダイエットと同じ。
ある人がやせ始めて、とても輝き始めたら、周りは自然に興味を持ちます。
実はこんなダイエット法をしていたらしいとわかると、
「自分もやってみよう」
と自然に思います。
周りを強引に変えることは本当にできません。
特にものは人と深く結びついているので、周りが整理を強要することもできないです。
自分自身の「いつか使うかもしれない」と思って手放せないものを、周りが強引に手放させようとしてきても、
絶対嫌だって抵抗するのと同じです。
周りからどれだけガラクタに見えても、本人としては持っておきたい、だから持っているもの。
そこを変えるのはなかなか難しいことです。
自分のものすら簡単に手放せないんですから、
人のものを手放させようとするのはやめましょう。
とにかく自分のものに集中です。
ちなみに、こんな風に、自分のものに集中しましょう、
と言っているのですが、それでも頑固に!?他人のものに手をつけて失敗した例をいくつも僕は知っています。
あるお母さん。
玄関に息子が使わないで置いているバットがありました。
ずっと放置されていて、使わないままだから、きよさんには他人のガラクタには手をつけないようにって言われたけど、これならいいかな、と勝手に処分してしまいました。
そのバットを近所の野球を始めた小さな子どもにプレゼントしたそうです。
その子どもはとても喜んでくれたそうです。
ここまではうまくいっていました。。。
しかし、
後日、放置していた息子さんが気付いたそう。
あのバットはどこにいった?という話になり、実はお母さんが近所の子どもに勝手にプレゼントしたと分かると、怒った息子さん。
その怒りは収まらず、結局そのお母さんはバットを差し上げたお宅まで行って、謝ってバットを返してもらったそうです。
本当に恥ずかしかったし、息子はとても怒ったし、本当にいいことがなかったです、
と反省されていました。
こんな風に、周りから見れば何年も使われていないただのものでも、本人は必ず心で繋がっていて、
それを勝手に周りが処分すると怒ります。
人間関係をまずくするだけです。
他にも、数十年前にお亡くなりになったご主人のものが手放せない人がいて、
その娘さんがある日勝手にその遺品を整理したそう。
するとお母さんの逆鱗に触れ、
「私が死んでからにして頂戴!」
ってけんかになったそうです。
数十年ずっと放置されているものであっても、持ち主の気持ちと繋がっています。
それを勝手に触られると、怒りが出てくるだけ、人間関係をこじらすだけです。
でも、面白いのですが、この娘さんがある全国誌でご本人のガラクタ整理体験談が紹介されたことがあったのですが、それをきっかけにお母さんの気持ちが変わりました。
娘が全国誌に紹介され、とても喜んだお母さん、周りの人にその雑誌をどんどん差し上げて、ご自身も整理しようと思われたそう。
すると、そのなくなられたご主人の遺品にも手をつけるようになり、量がずいぶん減ったそうです。
やはり、周りが変えようとしている時は本当に変わりません。
とにかく自分のものの整理に集中して、
それで何か結果が出るようになると、周りは自然に興味を持つようになるのです。
その人はその人の変化のタイミングがあります。
変化したいと思うきっかけがあります。
それを周りが強引に作ることはできません。
あなたが変わるのが先です。
あなたが変われば、必ず周りにいい影響が及びます。
これは目に見えない影響ですが、でも必ずあります。
まずは自分のガラクタをなくすこと。
徹底的に整理すること。
そしてあなたがどんどん素敵になること。
それが先です。
周りは自然にその良い変化の影響を受けるようになります。
他人のものには手をつけない。
他人を変えようとしない。
とにかく自分が変わること。
自分のガラクタを整理しましょう。